米ロ首脳会談開催とその焦点 停戦への道筋は

ウクライナ 首都キーウ キエフの街並み(PhotoAC,ぱりゅーんさん様)

 2022年から開始されたロシアによるウクライナ侵攻も、ここに来て新たな局面を見せている。日本時間8月16日アラスカ州(アメリカ)においてアメリカ大統領トランプ氏とロシア大統領プーチン氏による米ロ首脳会談が行われる事となった。

 会談において最も争点となるのは、停戦が実現する道筋を作れるかどうかだろう。今回の会談では当事者であるウクライナ側からはゼレンスキー大統領を始め出席者は不在だ。アメリカのトランプ大統領は停戦に向けた土台作りの場と捉えており、順調に行けば次回以降の会談ではゼレンスキー大統領も招く見通しとしている。

 ただ、交渉過程ではウクライナの領土の一部割譲を含めた譲歩を要求される可能性もあり、予断を許さない情勢となっている。ウクライナは領土割譲に否定的な立場であり、仮にトランプ氏とプーチン氏が一方的に何かしらの取り決めをすれば、当事者のウクライナは勿論西側諸国は反発するだろう。一方でロシア側に対して強気に出過ぎれば交渉決裂という結果を招きかねず、難しいバランスの中の会談となる事が予想される。トランプ氏個人にとっても、自身が希望するノーベル平和賞受賞のためには何かしらの外交成果は得たいだろう。平和への一歩として停戦が実現する事を望みたい。

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