米ロ首脳会談終了 成果と課題について分析

前回、米ロ首脳会談開催についての予測記事を執筆した。
両首脳は米アラスカ州アンカレッジで会談し、午後3時(日本時間16日午前8時)より共同記者会見に臨んだ。焦点となった停戦交渉についてトランプ氏は「合意には至らなかった」とはしつつ「非常に生産的」と評した。プーチン氏はウクライナでの戦争を「悲劇」と呼び、終戦に向け「誠実な関心」があると表明した。しかし、今回の紛争の「主要な原因」を除去する必要があるという従来の主張も展開した。
今回の会談は2つの意味で重要な物だったと考えている。1つ目はロシア・ウクライナ戦争の停戦及び終戦への道筋を見出せるか否かである。この点では可もなく不可もなくと考えている。直接影響力を及ぼせるアメリカ大統領が積極的にプロセスに関与する事自体は望ましいが、今回の会談で具体的な停戦への道筋は描けているかと言われると微妙だ。一方で停戦に向けまず米ロ首脳同士が会談した事自体は評価し、今後も交渉を継続し続ける事を望む。
2つ目はトランプ氏のノーベル平和賞受賞が達成されるか否かだ。トランプ氏は以前からノーベル平和賞受賞にこだわりを見せている。2025年になってもトランプ氏は直接ノルウェーのストルテンベルグ財務相に電話し、「ノーベル平和賞を受賞したい」と伝えていた程だ。仮にロシア・ウクライナ戦争を停戦まで導けたのなら、平和賞の実績としては大きなアピール材料になる。ただし、ウクライナの領土割譲など厳しい条件を一方的に押し付ければ、一時的に和平が成立してもその後の火種になりかねない。
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