ペロブスカイト太陽電池への期待と今後の課題とは

太陽光発電(makieni様、PhotoAC)
※画像は従来の太陽光発電のイメージであり実際のペロブスカイト太陽電池とは異なります。

 ペロブスカイト太陽電池とは「ペロブスカイト」という鉱物の結晶構造を活用している太陽電池だ。次世代の太陽電池として注目されている。ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術であり、2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力教授らが発明に成功した。

 特徴としては軽量で曲げる事も可能な点が挙げられる。今後の開発次第ではあるが、建築物の外壁や電気自動車など、様々な場面での活用が期待出来る。特に都市部など、大規模な土地の確保が難しい地域でも活用出来る可能性を秘める。また、主な原料となるヨウ素の生産量は日本が世界2位を誇っており(2025年時点)、技術自給や経済安全保障の観点からもメリットが大きいとされる。加えて印刷技術などでの製造を可能とされており、将来的には低コストでの製造も期待される。

 一方で課題もある。まず、紫外線などの外部環境に影響を受けやすく、長期の使用に不向きな点がある。次に材料に鉛を含む点があり適切に処理されなかった場合の環境汚染が懸念される。こうしたデメリットに対しては各研究機関や企業も技術開発を進めている。

 カーボンニュートラル実現に向け再生可能エネルギーの存在感は増している。ペロブスカイト太陽電池の開発が進む事で経済は勿論、環境保護・安全保障の分野でも大きな前進に期待したい。

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