利上げと利下げとは? 経済への影響を含めて解説

ドル円チャート(のののの、様 PhtoAC)
※イメージであり、実際のチャートとは異なります。

 利上げと利下げとは、中央銀行が政策金利を調整する事を指します。政策金利とは、国の中央銀行(日本の場合は日本銀行)が設定する金利を指し、経済全体に影響を与える重要な金融政策の手段です。

 利上げのメリット・デメリット

 まず、利上げとは政策金利の引き上げを指します。利上げの主な目的は過熱した景気を抑える事にあり、物価を下げる事などを狙って実施されます。

 利上げした場合、企業や個人の借り入れが減る傾向になります。金利が上がれば、お金を借りる際の返済額も増える事になるため、全体的に設備投資や消費が抑制される事になります。預金金利が上がるため、貯蓄が増える傾向になります。また、通貨の価値が上がります(日本なら円高)。物価は下がる傾向にあります。

 利上げのメリットとしては、景気の過熱を抑え、インフレを防止する点にあります。デメリットとしては、適切な時期に利上げを行わなかった場合、景気が必要以上に減速し不景気になりかねないリスクもあります。

 利下げのメリット・デメリット

 次に利下げですが、こちらは逆に政策金利を引き下げます。

 金利引き下げの結果、企業や個人が融資を受けやすくなり、ローンも組みやすくなります。預金金利は下がるため、貯蓄が横ばいか減る(=投資に回す)傾向になります。通貨の価値が下がる傾向にあります(日本なら円安)。物価は上がる傾向になります。

 メリットはお金を借りやすくなるため経済を刺激し、好景気に持って行く効果を期待出来ます。デメリットとしては、物価の上昇が懸念される点にあります。

日本の政策金利について

 2016年以降、日本では政策金利が「-0.1%」という所謂マイナス金利と呼ばれる状態にありました。マイナス金利とは「資金を預けると逆に利息を支払う(中央銀行(日銀)へ預金者となる民間の金融機関が金利を支払う)」という状態と言え、利下げを更に強化した形でした。

 2024年3月にマイナス金利の解除が決定され、新たに「0~0.1%程度」の金利を設定しました。同年7月には追加の利上げとして、政策金利を「0.25%程度」に引き上げ、2025年1月にはさらに引き上げ「0.5%」程度となりました。

当記事では利上げと利下げについて解説しましたが、実際の株式や為替は必ずしも当記事のような値動きをするとは限らず、あくまでおおよその目安です。当記事に掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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